近年、耳にアプローチすることで、心身の疲れやさまざまな不調の改善を目指す人が増えている。そこで、「ツボを押す」というメソッドを紹介。
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今注目の“耳のツボ押し”って?
ジュエリーが話題になるなど、ますます注目されている耳のツボ押し。
「正しくは耳鍼療法、耳介療法といい、耳に100以上あるツボに鍼や圧刺激を与え、診察と治療を行う療法です。耳に分布する迷走神経や三叉神経などを介して自律神経に働きかけると考えられ、緊張や不安の緩和、睡眠の質の向上、胃腸機能の調整などが期待できます。耳ツボ(耳の各部位)は全身と呼応すると考えられ、肩こり、腰痛など痛みの軽減に用いられることも。誰もが簡単にできる健康法です」(東京有明医療大学教授・安野富美子さん)
耳ツボマッサージの歴史は古い。
「約2000年前の中国最古の医学書『黄帝内経霊枢』には、“耳は経脈の主脈・大脈の集まるところ”と記されており、その頃には耳ツボ治療が行われていたと考えられます。現在のような“耳に全身の反射区がある”という体系だった耳介療法は、1950年代にフランスの医師が提唱した後、中国で体系化されて世界に広まりました」
ここでは、多くの人が悩みがちな不調にアプローチできる耳のツボをガイド。気になるものにトライしてみて。
基本的な耳ツボの押し方
押すと“イタ気持ちいい”と感じるところがツボの目安。見つけたら下記のような方法で押してみよう。
押し方 1
耳の前後両側から親指と人差し指でツボを挟むようにつまむ。息を吐きつつゆっくり5秒かけて押し切り、5秒キープ。片耳ずつ2~3回。慣れたら両耳同時でもOK。
押し方 2
親指と人差し指でツボを挟むようにつまんで、円を描くように回しながら軽く押す。片耳ずつ行う。慣れたら両耳同時でもOK。
注意点
- 強く押しすぎない。
- 1か所につき30秒以内にする。
- 痛みや炎症がある時は避ける。
- 爪を立てない。
- ピアスやイヤリングは外す。

頭のズキズキ感をなんとかしたい
右は「交感」、左は「神門」というツボ。自律神経のバランスを整え、緊張や気圧変化による頭の重さやズキズキ感の緩和が期待できる。緊張型頭痛にも。リラックスしながら押そう。
座りすぎによる腰や脚の疲れが気になる
上は「股」、中は「臀」、下は「腰仙椎」のツボ。腰やお尻、脚のだるさの軽減をサポートしてくれる。3つのツボを押すと、腰部から下肢の血流を促し、筋肉の疲れの軽減が期待できる。
胃が重たくてスッキリとしない
「胃」のツボ。食後の胃もたれの軽減をサポートしてくれる。自律神経を整えることで消化機能を助ける働きが期待される。食後すぐに押すことはせず、少し時間を空けてから行って。
首や肩まわりを緩めたい
上は「肩」、下は「頸椎」のツボ。首や肩まわりの筋緊張を緩めて、血流改善をサポート。重だるさや、デスクワークによるコリの軽減にも。入浴後など血行のいい時に行うとなお良し。
生理痛をやわらげたい
「内分泌」のツボ。ホルモンバランスや骨盤まわりの緊張を整え、生理痛の重だるさや下腹部の違和感の改善が期待できる。特有のイライラや不安感を軽減したい時にもおすすめ。
眼精疲労が辛い
「眼」のツボ。目の奥の疲れやかすみ、乾きによる不快感をやわらげたい時のケアとして期待される。目を閉じて、ゆっくり深呼吸をしながら左右交互に押す。長時間のスマホやPC作業後に。
教えてくれた方
Profile
安野富美子
東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授。レディース鍼灸や鍼灸医療に関する研究を行う。テレビをはじめ、さまざまなメディアに出演、セルフケアや健康、美容に役立つツボ刺激法などを発信している。
anan 2488号(2026年3月18日発売)より






















