いま注目を集めている、食事の常識を覆す新概念“脂質起動”をご存じ? 油などの脂質をたっぷり摂って、太りにくい体にするというもの。そんな“脂質起動”のリアルな食事のルールを紹介。


生活に取り入れて体を変える! 脂質起動な7つの食習慣

脂質がいいからとやみくもに摂取するのはもったいない。エネルギー源として使われるよう意識すべき7つの食習慣を紹介。まずは自分の生活に取り入れやすいものから始めよう。教えてくれたのは、“脂質起動”を提唱する医師の山田悟さんです。

① 脂質とタンパク質を先に摂る

脂質とタンパク質を先に摂る理由は、消化管から「インクレチン」というホルモンが分泌されるから。

「インクレチンには2種類あり、脂質を摂ると『GIP』が、タンパク質を摂ると『GLP-1』が分泌されます。これらが、インスリンを適切なタイミングで速やかに分泌することを促し、後に糖質を摂っても血糖値の上昇を最小限にとどめてくれます」(山田さん)

② 主食を半分にして、最後に食べる

ご飯やパン、麺類は糖質が多いため、食べる量を減らし、食事の最後に食べること。「そうすれば、肥満を招くインスリンの過度な分泌を防ぐことができます」。1食の糖質は20~40gを目安に。

「白米より玄米、食パンより全粒粉パンと、精製度が低く食物繊維が残っている茶色っぽいものがよいとされがちですが、糖質量に大差はないので量を減らすのが最適」

③ 良質な油をチョイスする

脂質の多い食品の代表である油。油にも様々な種類があり、植物油は基本的にすべてOKだが、避けるべき油が大きく2つある。

「1つめがマーガリンやショートニングに含まれがちなトランス脂肪酸。これは工業的に産生されたもので体によくないとされます。2つめが酸化した油。古くて傷んだ油は細胞を傷つけたり、がんや動脈硬化を誘発したりするので注意」

④ 朝こそ脂質多めの食事を!

朝食は3食の中でも血糖値が最も上がりやすいゆえに、朝こそ脂質を意識。

「ならば朝食を抜けばいいという考え方は言語道断。朝食を抜くと、前日からの絶食の時間が長くなるため、昼食時の血糖値の乱高下がさらに激しくなります。朝食を脂質多めにすると、一日を通して血糖値も食事量も安定。食べすぎによる肥満を防ぐことができるので太りにくくなります」

⑤ 脂がのっている肉や魚を選ぶ

肉や魚は脂質の多い食品だが、なかでも脂がのったこってりしたもののほうが脂質の摂取量が増えて、効率的。肉ならサーロインやロース、バラ、魚ならブリやサバ、イワシ、サンマ、マグロなどがおすすめ。

「肉の脂身は酸化しにくいのが利点。また脂がのった魚は、EPAやDHAといった人間の体内で作ることができない脂肪を多く含んでいるのも魅力です」

⑥ 食欲を抑える食物繊維もしっかり摂取

野菜、キノコ類、海藻類に多く含まれる食物繊維を摂取すると、タンパク質と同様にGLP-1が分泌される。

「食物繊維によるGLP-1分泌は、腸内細菌による代謝後の分泌のため、即効性はないかもしれません。ただし1日25gを目安に毎日摂取していればGLP-1が安定的に分泌され、食後の血糖値の乱高下を防ぎ、日常的に食欲を抑えられる可能性が」

⑦ ナッツやチョコをおやつに

「どちらもオイルリッチなおやつなので、バッグに忍ばせておくとよいでしょう」。ナッツはクルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツ。チョコならカカオ分70%以上で、甘味料が人工甘味料のものがよい。

「たとえば外食などで糖質を最後に回すのが難しい場合は、食事の20~30分前にナッツや低糖質チョコを食べておくと、血糖値上昇の抑制効果が期待できます」

教えてくれた方

Profile

山田 悟

医師、医学博士。北里大学北里研究所病院院長補佐、糖尿病センター長。著書の『糖質疲労』が18万部を突破し、その続編となる『脂質起動』(共にサンマーク出版)も話題沸騰中。

イラスト・小迎裕美子 取材、文・鈴木恵美

anan 2482号(2026年2月4日発売)より
Check!

No.2482掲載

ボディコントロール2026

2026年02月04日発売

毎日取り入れて習慣化でき、健康面でも嬉しいプログラム。壁さえあれば実践できるウォールピラティス、寝たままウエストしぼり、バランスよく整えるコンディションウォーク、シルエット美人になれる首肩ほぐしトレ、料理家さんの調整レシピ、話題の脂質起動など、話題のメソッドをご紹介。

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