自らの性体験から得た学びからリアルな性教育を届ける“花魁VTuber”由宇霧さん。自身の性体験をあえて赤裸々に語りつつ、本当に必要な性知識を広めている。「性教育はウェルビーイングから」という考えに共感する女性視聴者も増加中。

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    Profile

    由宇霧

    ゆうぎり 2018年に、バーチャルYouTuber由宇霧として「しくじり性教育の由宇霧ちゃんねる」をスタート。著書に『花魁VTuber由宇霧が教える セックスで気持ちよくなる御作法』(六花舎ブックス)ほか。

    性教育は知識だけでなく、自分と向き合うことも大事

    ── まずは自己紹介をお願いします。

    由宇霧さん(以下、由宇霧):おいでなんし~! バーチャル花魁の由宇霧と申します。バーチャルYouTuberとして、性教育に特化した「しくじり性教育の由宇霧ちゃんねる」を運営しております。

    ── 由宇霧さんがVTuberになった経緯、そして性教育をテーマに据えた理由を教えてください。

    由宇霧:遡ると幼稚園の頃から性的な興味がすごく強くて(笑)、女性の体をしたお人形さんを裸にして遊んだりしていました。そのうち、エッチな漫画をベッドに隠したりしていたら親にバレたんです。今思えば「私は性的なことに興味がある」と親に伝えるいいチャンスだったのに、目を逸らされてしまったんですよね。

    性教育の機会を逃したことが生んだ影響とは

    ── 本当は性について、親からきちんと教えてほしかったのですね。

    由宇霧:そうなんです。でもうちの親は、性教育はしてくれなかった。人格否定のような言葉で強く怒られることも多く、私はすごく自己肯定感の低い人間に育ってしまいました。その反動で自分に価値を見出したくて、学校で何かに立候補するなど目立つことをしていたのですが、一方で男性からはすごく簡単に承認してもらえて。そこでも自分の価値を確認するため、必要以上に性行為に走ってしまったのです。

    その後も性的なことへのハードルが低かったので特に悩むことなく性風俗の道に入り、一時期働いておりましたが、ある時縁あってVTuberに。長年発信したかった性教育をテーマにしました。

    ── コンテンツは主に自分の経験から生まれているのでしょうか。

    由宇霧:はい。性風俗時代に女性器を激しく扱われたり、乳首を強くつねられたり、潮を吹かないことにがっかりされるなど誤った知識に基づいた経験の数々から、「性教育の敗北よな…」と身に沁みて。

    また、私のように自己肯定感の低さから性的に奔放になりすぎることの危険性、互いに快感を得るためのコミュニケーション術、セックスにおける“こうしなきゃ”を解きほぐす話…例えば「精液を無理に飲まなくていい」みたいなことなど、学校で教育できないところまで踏み込むようにしています。

    女性のおっぱいにも「毛」は生える【しくじり性教育】/「女性の乳首周辺の毛に関する実体験や意識を共有し、処理方法や受け入れ方を考察!」。誰かに相談しづらく“これって私だけ?”と悩んでいる人にも。

    “リアルな性”の発信と知ることのメリット

    ── リアルな話こそ、知る機会が得難いですもんね。視聴者の反応で印象深かったものはありますか?

    由宇霧:性行為前のコミュニケーションを大切にすることをよく伝えているんですが、パートナーとのセックスレスに悩んでいたある男性視聴者さんから、私の動画や書籍から学んでコミュニケーションをとるようになったら性生活が戻ってきたと報告を受けて、とても嬉しかったです。

    あとは、2年ぶりに彼氏ができて久しぶりにセックスしたら体がしんどかったというお悩み相談の回は反響が大きかったですね。これもコミュニケーション次第でよくなる可能性はあるとアドバイスをしました。

    ── VTuberだからこそ伝えられる利点はどんなことですか?

    由宇霧:自分のことだとはいえ私の体験談にも相手がいますから、私がバーチャルであることで相手の匿名性も保たれ、よりリアルに喋れています。それから、由宇霧は歳をとらず年齢がわからないため、幅広い層の男女に先入観なく自分事として受け入れられていると思います。

    みんなに伝えたい、性教育との向き合い方

    ── 配信の他にウェルビーイングプロジェクト〈Yoriyoi〉の主宰もされていますね。

    由宇霧:少人数のオンラインイベントで、お互いに人間関係を作りながら自分の気持ちを手渡しでやり取りできる場です。

    配信を続けてわかったのは、性教育って知識だけ発信してもダメ。家族やパートナーとの向き合い方や趣味を持つこと、ごはんを食べて寝て、自分と対話するところから始めないと性の話はできないんです。今後も、性教育を広い範囲で捉えて発信する活動をしていきたいです。

    「バレンタインにぴったりなゴムを開封」「開封動画」がホットコンテンツと聞きアップしたコンドームの開封動画。「“本体を端に寄せて開けると傷つかない”など短い動画に学びも盛り込みました」

    anan読者に伝えたいメッセージ

    「セックスが好きじゃなくてもいい。まず自分の体を知ろう」

    「性教育や性にまつわる話は、セックスが好きな人たちのものというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。時期や相手により気持ちも変わるものですし、実は私も、ウェルビーイングの考え方を取り入れ自己対話をしたことで、幼少期の興味は知識欲で、セックス自体が好きなわけではなかったと気づきました。

    もちろん安全にセックスをするための知識をつけることも必要ですが、そもそもケアとして自分の体を触ってみることも大事。まずは自分らしさや、自分の体を知ることから始めてみましょう」

    取材、文・若山あや

    anan 2437号(2025年3月5日発売)より
    Check!

    No.2437掲載

    今、わたしたちにできること。

    2025年03月05日発売

    特集は“いま、私たちにできること”。SDGsやエシカルという価値観が定着して久しいですが、自分レベルで実践できる地球にやさしい情報をアップデートしてお届けします。第2特集はフェムケア。CLOSE UPは笑福亭鶴瓶さんと重岡大毅さん。Travis Japanカレンダーへの道には川島如恵留さん、Aぇ! groupプレ連載には小島健さんが登場します。

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