自身のYouTubeチャンネルでフェムケアの情報を幅広く発信する藤井サチさん。「自分が学んだことを、応援してくれる子たちに還元したい」と語る、彼女の心身との向き合い方を聞きました。


なぜ知らずにいたんだろう?

モデルとして活躍するかたわら、YouTubeを中心に、食、美容、フェムテックまで女性のQOLが上がる情報を幅広くシェアしている藤井サチさん。女性としての体調のゆらぎや変化に目を向けたきっかけはPMSだという。

「『なんとなく気分が落ち込む日が定期的にあるな』という感覚と、同じ時期にフェイスラインにニキビがたくさんできてしまうのが気になっていたんです。そこで皮膚科に行ってみると『婦人科にも行ってみては』と言われて。実際受診したら、ホルモンバランスの乱れからくる症状だとわかって、PMSという言葉を知ったんです。確か19歳のときかな」

自分の体のことなのに、なぜ知らずにいたんだろう? あらためて考えてみると、育ってきたなかで女性の体について知る機会が乏しかったことに気づいた。

「学校でも家庭でも体の話をすることって少ないですよね。むしろ隠そうとする文化もあるくらい。学生時代、トイレに行く前に机の上にナプキンを置いていたら『見えてるよ!』って友達から言われたことがあって(笑)。そのときも『なぜ隠さなきゃいけないんだろう』っていうのは思っていました。世界にいる人の約半数は女性で、その大半に備わっている現象を隠すって不思議だなと」

抗う必要はない

一方でモデルとして一線で活躍し続ける藤井さん。月経周期にともなう体重の増減や肌のゆらぎとどう向き合い、カメラの前に立ってきたのだろう。

「10代の頃は抗おうとしていました。でもPMSの治療でピルを飲んで周期が安定してからは『今は生理前だからイライラしがち』とか体調を客観的に見られて、撮影前のコンディションづくりも計画的にできるようになりました。それを続けるうちに、抗う必要もないかなと思えるようになったんです。だって自然現象ですから」

自分の体に折り合いをつけられるようになってからは、女性をとりまく社会や環境へと、その視野はぐんぐんと広がっていった。

「2年前からコメンテーターのお仕事も始めたことで、社会問題を掘り下げて考える機会が増えたのも大きかったですね。そこで女性ならではの悩みにアプローチするテクノロジーがあると知って、すごく興味を持ったんです。その話を周りにしていたら『今度フェムテックフェスっていうのがあるから、ゲストで参加してみない?』とお声がかかり…。そこで日本未認可の海外のフェムケアグッズを見て衝撃を受けました! 貼るだけで生理の不調が軽減されるパッチ、痛くない搾乳器。女性を助けるテクノロジーってこんなにあるんだ! って。また女性の悩みを解決する分野は未開拓だったから、経済効果も期待できるとか。ビジネスになれば、多くの人が動いて注目度も上がるから、女性にも経済にもいい循環があると思うな」

自らの体のことをきっかけに、広く社会にも目を向ける知的好奇心はさすが。被写体でいること、話すことはもちろん「学ぶことが大好き」と瞳を輝かせる。

「学んだことを応援してくれる子たちに還元して“シェアハピ”できたらなって。『サチさんがオープンに話す姿を見て生理の不調を職場で話せるようになった』みたいなコメントをいただくと嬉しいです。誰かの役に立てた実感が次のモチベーションになるから」

“なんとなく不調”を可視化、言語化することが大事

もちろん藤井さん自身も現在進行形でフェムケアに励んでいる。その一つが冷え対策。

「寝る前にゴム製の湯たんぽをお布団の中に入れてベッドを温めておいたり、足湯したり。特に朝、歯磨きしながら足湯すると一日中ポカポカの状態でいられるんです。あとマグネシウムの入浴剤を入れてお風呂に入るのも日課。そうすると食べ物だけでは補えないミネラルが摂れるし、マグネシウムを補うことで集中力が上がったりイライラしにくくなるっていうデータもあるんですよ! 私、臨床データ見るの大好きなんです(笑)」

自分の状態を俯瞰することで、いま何が足りないか、体が何を欲しているかがわかるようになってきたという。一方で忙しい今の時代、自分の体としっかり向き合う余裕のない女性も多い。その初めの一歩には、どんなことをしたらいいだろうか。

「う~ん…まずは調子の悪いとき、それを手帳やカレンダーに書き出してみるとか。それなら時間もお金もかけずにできるんじゃないかな。自分の体の声に耳を傾けることがファーストステップ。そうして“なんとなく”を言語化、可視化することで傾向が見えてくると思います。私も『最近やたらチョコレートが食べたくなる』とか自分を観察することで足りない栄養素に行き着いたり。少しずつ不調の根本にアプローチできるようになってきました。対症療法もいいけど、根本解決が大事。これからも自分の体をもっと知って、自分のご機嫌をとれる人でいたいです」

藤井さんの“My Favorite Item”

【NICHIGA】Dead Sea Salt/イスラエルの死海(塩湖)で採れる塩化マグネシウムの入浴剤。「マグネシウムは経皮吸収率が高い成分だから5分浸かるだけでも効果的。温まるし、肌の調子も良くなる気がします」

【iroha】INTIMATE WASH/弱酸性のデリケートゾーン用ソープ。「さっぱりとした洗い上がり。バスルームになじむ、シンプルなパッケージも好き」。藤井さんは新登場のフォーム(泡)タイプを愛用。

【ナチュラムーン】生理用ナプキン/天然コットンを使った生理用ナプキン。「デリケートな粘膜に触れるものだから、体にやさしいものを使っています」。普通の日用、多い日の昼用&夜用など経血量に合わせて選べる。

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Profile

藤井サチ

ふじい・さち 1997年3月6日生まれ、東京都出身。2017年から24年まで『ViVi』専属モデルを務める。YouTube「サッチャンネル」では持ち前の知的好奇心でフェムケアを含め美容情報を発信中。Instagram:sachi_fujii_official

トップス¥46,200(カタリーナ ダビック) スカート¥31,900(アッシャー) 共にシティショップ TEL:03・6696・2332 ピアス¥51,700(エネイ/エネイ松屋銀座 TEL:03・3566・2139)

写真・山根悠太郎(TRON) スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・Kanako(TRON) 取材、文・大澤千穂

anan 2437号(2025年3月5日発売)より
Check!

No.2437掲載

今、わたしたちにできること。

2025年03月05日発売

特集は“いま、私たちにできること”。SDGsやエシカルという価値観が定着して久しいですが、自分レベルで実践できる地球にやさしい情報をアップデートしてお届けします。第2特集はフェムケア。CLOSE UPは笑福亭鶴瓶さんと重岡大毅さん。Travis Japanカレンダーへの道には川島如恵留さん、Aぇ! groupプレ連載には小島健さんが登場します。

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